会長ご挨拶

会長 箕浦公人

ニプロ株式会社
常務取締役

この度、新しく医薬品産業情報研究会(PIフォーラム)の会長職を務めるに当たりご挨拶をさせていただきます。

はじめに、今回の新型コロナウイルス感染症に関しては、診療・検査医療機関などの最前線で治療にあたっていただいている医療従事者の皆様に対して、そして厚生労働省をはじめとする関係機関、諸団体の皆様に対して、心から敬意を表し、深く感謝を申し上げます。

PIフォーラムは、医薬品専業メーカー以外の異業種の企業が、医薬品産業・医療関連産業へ参入するにあたり、医薬品事業や研究開発等の様々な課題やテーマに対して情報収集や調査・研究を行い、かつ会員企業間での意見交換、切磋琢磨する場として、厚生労働省をはじめとする関係各位のご支援のもと1991年1月に発足し、以来30年以上の歴史を重ね、現在(2022年7月時点)では会員企業32社を数えることとなりました。今後も各委員会や分科会での活動を通じて、兼業企業の団体ならではの視点で医薬・医療へ貢献する使命を持って活動をしたいと考えております。

PIフォーラムの活動はこの2年ほど、コロナ禍により多くの制約を受け、ほとんどがリモートでの活動となっておりました。近頃ではリモート形式での会合にも慣れ、その利便性も捨てがたく感じることがあるようになりましたが、今後はウィズコロナの動向も踏まえ、関係する方々の安全性を最優先したうえで、リアルでの活動も模索していきたいと考えております。

さて、ここ数年の医療を取り巻く環境としては、新型コロナウイルスの騒動により、それに対応した医療提供体制やワクチンや治療薬などを始めとする感染症対策分野に注目が集まる一方で、原材料調達や国際的なサプライチェーンの不安定化に伴う安定供給リスクは経済安全保障の文脈でも語られるようになりました。また、再生医療やデジタルヘルスなど、既存の医療機器、医薬品の枠を超える新たな医療も着々と進化を続けておりますが、少子高齢化の人口動態に歯止めがかかる気配はなく、また、長らく唱えられている健康寿命の延伸についても、これまでのところ平均寿命との差に大きな改善は見られない中で、社会保障費の増大は今後も財政上の課題となると見込まれます。

このように健康厚生分野への要望が高まる中、PIフォーラムは多様な技術を有する様々な属性の企業が集まる団体として、そうした社会課題に対して独自の活躍の場があると考えております。PIフォーラムの活動が、メンバー企業それぞれの課題解決ならびに事業発展になると同時に、その進歩が患者さんを中心とする医療への貢献となる、それらがすなわち社会貢献となる、というような「三方良し」となりますよう努力して参る所存です。

最後になりますが、会員企業の益々のご発展を祈念しますとともに、よリー層のPIフオーラムヘのご理解と各種活動へのご協力をお願い申し上げます。

2022年7月

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